キノトロープのワークショップ参加
東京のWeb制作会社「キノトロープ」のワークショップに参加した。
ワークショップの内容は、キノトロープで行なわれているワークフローについてである。
キノトロープは業界では有名な会社で、クライアントには多くの大企業が名を連ねている。いわゆる業界トップの会社がどのような考え方で仕事をおこなっているのか?多いに参考になるのではないかと思い、参加したのである。
Web制作には多くの人間がプロジェクトに参加する。「デザイナー」、「エンジニア」、「クライアント」など、それぞれ考え方が全然違うので、いかにして情報を共有し、認識統一すればよいのか?プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、難しい。
今回、説明していただいたワークフローは、仕事の段階ごとにドキュメントを作って承認を得ていくというものである。そのワークフロー自体は、組織のしっかりした企業、得に大企業では当たり前のように行なわれていることで、目新しいものではない。しかし、キノトロープが素晴らしいのは、それが会社全体のシステムとして徹底されており、安定して高品質のWebサイトが提供できるということである。
会社のポリシーがワークフローという仕組みに組み込まれているので、スタッフ全員が会社のポリシーを反映した仕事ができるのだ。まさに仕事の標準化である。
私は以前、いわゆる大企業と呼ばれているところに勤めていたので、キノトロープのような仕事の考え方は理解できているつもりである。今の会社でもその考え方は軸となっており、試行錯誤をして資料を作っている。しかし、自分がもし今の会社から去ったとき、その考え方は後の人には引き継がれるだろうかと思うと、引き継がれるところまでいっていない。自分の仕事のやり方として一人で実施しているだけである。
キノトロープはスタッフ全員が「会社の志しに同意し、それを実行できる仕組み」を作り上げることによって、クライアントの信頼を獲得し、お客を選べる立場になっているのだ。
代表取締役の生田さんは
「ページ単価1万円でしか仕事をくれないお客さんは、ページ単価2万円の仕事をくれるようには絶対ならない。そんなお客は切っちゃえばいい。」
とおっしゃっていた。お客を切るということは、自らの品質に自信を持たなければできない。
自信を持つための取り組みを続けてきた結果が、キノトロープという組織を作り上げたのである。
何よりも刺激を受けたのは、説明をしてくださったディレクターをはじめとするメンバー全員の表情が大変印象的であったことである。自信に満ち溢れながらも、謙虚さのある、いわば「ゆとりのある」雰囲気をかもし出していた。
今回、ワークショップには関西を中心とした多くの制作会社が参加していたと思われる。スタッフの多いキノトロープだから、きめ細かいワークフローが可能なのだと感じた人も多いだろう。しかし、そんな考え方を持っていては一生変わることはできない。
我々は日々の締切りと価格競争に追われ、品質を上げていく努力をしているだろうか?惰性で仕事をこなしていないだろうか?今回のワークショップは、私に大きな気づきを与えてくれた3時間半であった。

